ロックタイト586
摩擦の増大
ロックタイト 586を使用したベアリングの取り付け
取り付け面の表面粗さは、Rt 65の値を超えてはなりません。粗さがより大きい場合にはせん断強度が低下します。
コーティングの厚さが0.1mmの場合、理論的消費量は100ml/m²となります。手作業で塗布する場合には、正確な調整が容易でないため、2~3倍の量を想定してください。取り付けの際には、以下の点に注意する必要があります。
- 市販のクリーナーで接触面のオイルとグリースを除去します。
- 不活性領域(例えば、亜鉛メッキおよびコーティングされた表面、アルミニウム表面、非金属表面等)は、まず活性化剤T747で処理する必要があります。ロックタイト586は、活性化されていない表面にのみ使用することができます。両側を活性化したり、活性化剤の上へロックタイト製品を塗布する場合、早期の硬化を引き起こす可能性があります(乾燥 = 数分)。
- 表面へのロックタイトの塗布には硬いブラシで行う必要があります。
- 後に取り外しが困難になるため、芯出し器にロックタイトが触れないようにしてください。これは、ワックスやグリースといった離型剤で被覆する必要があります。
- ロックタイトはベアリングのを取り付けた後2時間後に硬化を始めます。この時間内にネジを完全に締め付けることができない場合は、事前に手締めしておけば十分です。最終強度は、12~24時間後に発生します。
- 通し穴およびネジ穴はロックタイトから保護する必要があります。
取り外し
取り外しの際には、以下の点に注意する必要があります。
- すでに述べたように、ロックタイトによる接続部では、圧力とせん断負荷は問題となりませんが、引っ張り負荷はかけないようにします。したがって、ベアリングは接続構造から容易に切り離すことができます。
- ロックタイトが使用される場合は、すでに接続構造の構造設計において、ジャッキネジ用のネジ穴が設けられています。大きく重いベアリングおよび/または水平軸においては、特に、組み立てのためのスペースが狭い場合、ジャッキネジは欠かせません。
- ベアリングを持ち上げる場合には、ベアリングが外れるまでジャックネジを順に締め付けます。
- より小型のベアリングや、取り付け箇所が容易にアクセス可能な場合には、円周の複数の位置でピンチバー等を使用し、ベアリングの片側を慎重に持ち上げるだけで十分です。
- 前述した通りに接続を解除する前に、ベアリングをアイボルトで吊るしたり、持ち上げたりするのは絶対にしないでください。
- 再組立前の表面の洗浄は、用途に適したワイヤーブラシを用いて行います。