ベアリングの選択
一般事項
旋回ベアリングの最終的な選択は、基本的に当社によって行われます。それにより、ベアリング軌道面、ギア、そしてネジ接続部の正しい寸法を保証することができます。
ベアリングの選択に必要となる情報は、会社基準KD 100に基づき提出してください。お問い合わせ用データフォームは、このページの下からPDF形式でダウンロードしていただけます。
ベアリングを選択するために最も重要なデータは以下のとおりです。
- 負荷
- 負荷スペクトルおよび対応する時間割合(%)
- 単位時間当たりの回転数または旋回動作の回数、旋回角度、それに対応する負荷スペクトル
- ギアによって伝達されるの円周方向の力
- ベアリングの直径
- その他の稼動条件
すべて記入されたKD 100に基づき、当社はお客様のニーズにできる限り対応し、技術的に適切かつ経済的なベアリングを提案します。記入済みのKD 100は、できればプロジェクト作業中、遅くとも発注時にご提出いただく必要があります。そして、これに基づきベアリングが確定されます。
インターネットでのベアリングの選択
設計のためのおおよそのベアリング選択が可能です。記載されたrothe erde®旋回ベアリングに対し、静的負荷容量の限界負荷曲線および耐用期間曲線が割り当てられます。必要なベアリング負荷容量の特定には、用途に応じて計算された負荷に対する負荷ファクターが考慮されます。タイプシリーズ KD 210 のタイプ13とタイプ21は例外です。記載されていない用途に関しては、同等の用途の稼動タイプに応じて選択する必要があります。負荷が、静的限界負荷曲線、ネジ曲線および耐用期間曲線の下にある場合、ベアリングは適合していると言えます。
静的負荷容量
求めらた負荷に、各ケースに割り当てられたファクター Fstatが乗じられます。製品 FaまたはMkは、選択されたベアリングの静的限界負荷曲線より下になければなりません。
負荷の組み合わせでのラジアル負荷に
Fa = 軸負荷
Fr = ラジアル負荷
Mk = 傾倒モーメント
ベアリングの選択「静的」においては、シリーズKD 210、タイプ 110およびKD 600での概数としての「読み取り負荷」は、IとIIに基づき次のように求められます。
負荷の組み合わせ I
Fa' = (Fa + 5.046 · Fr) · fstat
Mk' = Mk · fstat
負荷の組み合わせ II
Fa' = (1.225 · Fa + 2.676 · Fr) · fstat
Mk' = 1.225 ・Mk · fstat
タイプ13および21にはIおよびIIが適用されますが、ファクター fstatは例外です。
2つの負荷組み合わせ(IまたはII)のうち少なくとも1つが静的限界負荷曲線を下回る場合、ベアリングは静的に適していると言えます。
シリーズ RD 900では、半径方向の負荷は限界負荷曲線の読み取りには影響を与えません。
理論的な耐用期間
旋回ベアリング技術において、理論上の耐用期間はよく知られた言葉です。多くの影響因子があるため、DIN / ISO 281に基づく定格耐用期間は絶対値としてではなく、比較値または参考地としてのみ使用してください。すべてのベアリングが理論的な耐用期間に達する訳ではありませんが、通常大多数のベアリングはそれを越え、中には数倍の耐用期間に達するものもあります。理論的耐用期間の基準は、特に旋回や低速の回転動作を行う旋回ベアリングには、そのまま適用することはできません。
耐用年数
ほとんどのケースにいては、軌道での周回速度は比較的遅いため、動作の滑らかさとその精度は、摩耗または散発するピッチングによって悪影響を受けることはありません。したがって、旋回と低速の回転動作を行う旋回ベアリングの寸法を、理論的耐用期間に基づき決定することは一般的ではありません。ここで、「耐用期間」について説明します。回転抵抗が次第に増大し、ベアリングがもはや機能しないレベルまで摩耗が進行した場合、旋回ベアリング耐用期間に達したと判断されます(摩耗測定を参照)。
旋回ベアリングは、非常に様々な運用条件の下で使用されています。例えば、様々な旋回角と異なる頻度による旋回動作、連続旋回動作または連続回転などの動作モードに応じて、静的な側面による選択に加え、動的負荷によって予想される耐用期間も考慮に入れる必要があります。
曲線を用いての算出された耐用期間は、旋回および低速の回転運動で使用されるベアリングにのみ適用することができます。この方式は次のものには適用できません。例えば、
- 高い半径方向の力を吸収するベアリング、
- 高回転するベアリング、そして
- 高い精度要件を満たす必要のあるベアリング。
これらの場合においては、ティッセン・クルップ ベアリングが、負荷スペクトルと対応する回転数、そして稼動時間の割合をもとに計算を行います。この際、装置の稼動時間と実際の回転または旋回時間とが区別されます。異なる負荷は、負荷スペクトルおよびその割合において考慮する必要があります。耐用期間の考察においては、例えば、負荷の有無による旋回角は無視できない影響因子となっています。
耐用期間の推定には、静的な負荷限界図に加え、「耐用期間曲線」も使用されます。ただし、プロファイルベアリングタイプ13とタイプ21は例外です。
これらの曲線では、最大負荷で3万回転の耐用期間が想定されています。これらは、様々な負荷スペクトルでの耐用期間の算出や、指定された耐用年数を持つベアリングの選択に使用することができます。
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